トロンとエコシステム#

TRONとは#

TRONは、「Webの分散化」の哲学に従って、世界中のブロックチェーン技術者によって設計および開発された堅牢なブロックチェーンエコシステムです。TRONエコシステムには、パブリックチェーン、ウォレットクライアント、分散型アプリケーション（DAPP）など、さまざまな種類の製品が存在しています。これらの製品は相互に密接に関連しており、エコシステム全体の安定性をサポートしています。

TRONパブリックチェーン#

1.概要#

TRONパブリックチェーンは、TRONプロトコルに基づいて実装された分散型ブロックチェーンネットワークであり、2018年6月25日に開始されたTRONエコシステムのコアとして機能します。ここでのコア機能として、トークンアセットの発行、DAPPの展開と実行、ステーク、利益、資産譲渡を提供しています。

TRONパブリックチェーンは、現在最も安全なパブリックチェーンシステムの1つです。優れている理由は、ブロックチェーンが分散型ネットワーク環境で実行され、データの作成と保存が特定の個人や組織に依存せず、データが暗号化によって変更されないことが保証されているためです。

TRONパブリックチェーンは、適切に設計されたアーキテクチャとコードにより、ほとんどのパブリックチェーンよりも運用効率と安定性が優れています。

2.TRONの今#

TRONエコシステムはTRONホワイトペーパーで10年間のロードマップを設定しています。

  • Exudos 2017.8~2018.12
  • Odyssey 2019.1~2020.6
  • Great Voyage 2020.7~2021.7
  • Apollo 2021.8~2023.3
  • Star Trek 2023.4~2025.9
  • Eternity 2025.4~2027.9

パブリックチェーンのシステムとプロトコルのトップレベルの設計は、Exudosで行われました。

Odysseyは、TRONパブリックチェーンの大規模な実用化の重要な段階です。
次のようないくつかの重要なバージョンがあります。
TRONにおけるバージョンの定義を以下に記します。

TRONパブリックチェーンの開発は、今現在「Great Voyage」に到達しています。

3. Architecture#

TRONパブリックチェーンは、システムを、基盤となるネットワーク、データストレージ、コンセンサス、トランザクションアクチュエータ、TVM、アプリケーション層インターフェイスなど、いくつかのコアモジュールにより形成されます。

TRONパブリックチェーンのアーキテクチャはこちらから

ネットワーク基盤#

基盤となるネットワークモジュールは、高性能ネットワークフレームワークであるNettyに基づいて構築された、カスタマイズ可能で効率的なメッセージ応答システムのセットです。

Nettyとは、非同期通信を行うアプリケーションを開発するためのフレームワークです。 SocketChannelで実現したNIO処理に比べると、低レイヤーのAPI（select(),read()など）を直接操作する必要がなくなり、Netty側で隠蔽されました。

基盤となるネットワークモジュールは、ノード通信とノード検出の2つのモジュールに分かれています。

Node discovery is implemented based on the Kademlia algorithm. It meets the requirements of node discovery in decentralized network environments and can defend eclipse and witch attacks by a set of node scoring mechanism.

ノード通信モジュールは、データ転送にTCPを使用します。これに基づいて、柔軟で拡張可能なメッセージ登録応答メカニズムがビジネス層で設計されます。

データストレージ#

高速ロールバックをサポートできるデータストレージモジュールと、高速ブロックチェーンスイッチング用のインメモリデータベースKhaosDBを設計しました。これらは、TRONパブリックチェーンのパフォーマンスの究極の追求を反映しています。

また、データストレージモジュールの優れたインターフェイス設計に基づいて、ブロックチェーンシステム用のデータベース製品であるChainBaseを公開しました。LevelDBとRocksDB間のデータエンジンの切り替え、およびデータエンジンのカスタマイズされた開発をサポートし、対応するインターフェイスセットを実装するためにのみ必要です。

ChainBase

コンセンサス#

TRONパブリックチェーンは現在、コンセンサスアルゴリズムとしてDPOSを採用しており、最大2000TPSが可能です。

TPS  
TPSとは、コンピュータシステムの処理性能の指標の一つで、トランザクション処理を毎秒何件実行できるかを表したもの。

ブロックは、パブリックチェーンの潜在的なパフォーマンスを活用するために、固化ブロックと非固化ブロックに分類されます。分散システムのCAP理論の限界を減らし、データの可用性と一貫性を最大限に考慮することができます。

固化したブロックはロールバックできません。固化していないブロックには、最新のトランザクションデータが含まれています。フルノードは、ユーザーからのさまざまなニーズを満たすために、両方のタイプのブロックにデータ照会サービスを提供します。

DPOSアルゴリズムの実装に起因する優れたオンチェーンガバナンスメカニズムを設計しました。スーパーレプレゼンタティブ（SR）およびスーパーレプレゼンタティブパートナー（SRP）は、提案依頼書の投票を開始できます。投票後、SRからのすべての投票がカウントされ、提案が有効かどうかが判断されます。

プロポーザルには、ブロックチェーンパラメータの調整、新機能の開始などを含めることができます。プロポーザルメカニズムは、ブロックチェーンの更新中にノードが複数回再起動するのを防ぐことができます。これにより、コンセンサスの効率が向上し、コミュニティの監視のためのチャネルが提供されます。

Super Representatives TRON consensus mechanism DPOS

オンチェーンガバナンスとインセンティブメカニズム#

地方分権選挙を通じて、TRONパブリックチェーンはスーパーレプレゼンタティブ（SR）とスーパーレプレゼンタティブパートナー（SRP）の2種類の役割を生み出し、それらはオンチェーンガバナンスに参加します。SR / SRPは特定の提案に対する投票を開始でき、他のSR / SRPは投票を通じて提案に意見を述べることができます。これにより、ブロックチェーンガバナンスが完全に分散化されます。

TRONパブリックチェーンには、ブロックチェーンの自己繁栄を促進できる正確で効率的なインセンティブメカニズムがあります。SRには、トランザクションをパックし、ブロックを作成し、ブロック作成のインセンティブを取得する能力があります。SRとSRパートナーは、獲得した投票に基づいて賞を獲得すると同時に、通常の有権者は、SRとSRPの投票に対してステーク報酬を獲得できます。インセンティブの量は透明であり、配布プロセスは完全に分散化されています。 Incentive Mechanism

TaPoS#

二重支払い攻撃は、パブリックブロックチェーンの歴史の中で厳密に扱われる必要がある問題でした。TRONには、この種の攻撃を防御するTaPosメカニズムがあり、TRONパブリックチェーンの安全性が向上します。

TRC10トークンのサポート#

TRC10トークンはシステム契約に基づいており、TRONパブリックチェーンで簡単に発行できます。システムコントラクトトランザクションは帯域幅のみを消費するため、TRC10標準はトークン循環のコストを大幅に削減します。TRC10トークントランザクションは、TRONパブリックチェーンに組み込まれた分散型取引所で実行できます。 TRC10

TVMとスマートコントラクト#

TRONパブリックチェーンに実装されているTRON仮想マシン（TVM）は、Ethereum仮想マシン（EVM）と完全に互換性があります。TVMは、TRONパブリックチェーンのDPOSコンセンサスアルゴリズムの生まれつきの利点により、開発者の学習コストを削減するだけでなく、運用効率を向上させ、コストを削減します。

DAPPの運用コストを削減するために、TVMで多くの最適化を行いました。また、バッチ署名の検証、契約アドレスの判断など、スマートコントラクトのより多くのビジネスロジックをサポートするための多くの新機能を開発しています。
TVM overview
Getting started to DAPP development

リソースモデル#

TRONパブリックチェーンには優れたリソースモデルがあります。フィードバック調整に役立つリソースモデルパラメータの動的調整メカニズムを設計しました。このメカニズムの簡単な説明は、処理トランザクションの数がリソース料金と正の相関関係にあることです。

すべてのユーザーには、一定量の無料のリソース割り当てがあります。

ユーザーはTRXをフリーズして、無料の帯域幅/エネルギーとそれに対応する投票数を取得できます。SRへの投票は、投票量に基づいて報われます。
Resource model

TRONエコシステムのコアアプリケーション#

1.概要#

TRONパブリックチェーンは大規模な分散オペレーティングシステムであり、数万のノードがサービス上で実行されており、端末は世界中にあります。Office to Microsoftのように、TRONパブリックチェーンの力はアプリケーションソフトウェアのサポートから切り離すことはできません。TRONのエコシステムの繁栄には、コミュニティ開発者が活躍が必要です。

現在、TRONエコシステムには素晴らしいソフトウェアがたくさんあります。

2.Wallet client#
Wallet-Cli#

Wallet-Cli is the official wallet client maintained by TRON Foundation.

Wallet-Cli is a command-line version of the wallet, provides essential tools to communicate with the TRON public chain by the RPC protocol, supports all functions of the TRON public chain in real-time.

Wallet-Cli is also an excellent code implementation to show the interactive mode between clients and the blockchain for developers.

Wallet-Cli

TronLink is an outstanding TRON wallet dedicated to providing users with complete functions, convenient experience, secure funding options, and the most applications. TronLink official website Tronlink intergration

3.Blockchain explorer#

tronscan.org is the first blockchain explorer based on TRON.

tronscan.org has all the essential functions of a blockchain explorer, including searching transactions/ accounts/ blocks/ nodes/ smart contracts, on-chain statistics, token creation, Etc.

tronscan.org also has a built-in web wallet and a DEX based on the Bancor protocol, and they enrich the application matrix of Tronscan.

Tronscan

4.DAPP#

TRON public chain has attracted tens of thousands of community developers to join in the development, deployment, and running of DAPPs on the blockchain, for the reason of its high performance, safety, and low cost.

As of Q1 of 2020, the total number of DAPPs on the TRON public chain has exceeded 700, with more than 230,000 users.

5.Testnet#
Shasta test net#

The version of Shasta test net is consistent with the main net.

Nile test net#

Nile test net is generally used to test new features. The code version of the Nile test net is ahead of the main net as usual.

Tronex test net#

Tronnex is used for the test of sun-network.

TRON's ecosystem growth#

The healthy growth of TRON's ecosystem can never be separated from ecological products. The products under development and testing are listed here:

  • Lite client A full node will be more accessible to devices with lower specs.
  • Lite full node It solves the problem of the massive data occupation of a full node. A lite full node can provide service like a full node but only stores a fraction of data
  • Support shielded transaction on the TRON public chain It provides more security functions for data.
  • TronDex It is an optimization of the current DEX, which supports TRC10 automatic transaction matching and TRC20 decentralized transaction.
  • Sidechain based on Sun Network It is a DAPPchain based on Sun Network and it attracts more DAPP developers to deploy their blockchain.
  • The mixture of PBFT and DPOS It is getting ready for the coming cross-chain implementation.

TRON community products#

We have countless star products from the community:

  • TRONZ supports shielded transaction TRONZ is currently doing the MPC process. The shielded coin based on the TRON public chain will be published after the process done
  • Blockchain explorer Tronscan
  • DeFi(decentralized finance) The first staking and lending platform JUST The TRX staked on JUST is over 1,000,000,000, has exceeded the similar product MakerDAO

  • Developer tools TronWeb provides the JS front-end tool code for communicating with the blockchain TronIDE provides an integrated tool of editing, deploying testing and calling of smart contracts TronGrid provides full node and extra API services

  • TronLink TrokLink is a great TRON wallet developed by the community, runs on Android, IOS and PCs(Chrome extension). It is a vital entrance of DAPPs. TronLink has more than 300,000 users at present.

The future of TRON#

We are always adhering to the concept of "haste makes waste" over the past two years from the day we began to build the ecosystem. Looking back, we did many things. At present, our core public chain product "java-tron" is keeping in stable operation. Besides, many brilliant products and ideas, like wallet clients, blockchain explorers, side chains based on Sun network, different kinds of DAPPs and our outstanding community developers are the most important part which forms TRON ecosystem today.

In the future, we will adhere to the value concept of "decentralized the web" and keep on going in the following areas:

  • Cross-chain based on the TRON public chain
  • Full support for shielded transactions
  • A safer and faster TVM
  • Integrate with other products like BTFS, bring more application scenarios to DAPPs
  • Exploration in DeFi area